昨年甥っ子が産まれた。
僕ももうおじさんである。
出身が関西なので、僕は自分の叔父のことを「おっちゃん」と呼んでいた。
地元の友人なども甥っ子が生まれたやつが何人かいて、「俺もついにおっちゃんですわ」みたいな会話をしたり。
ところで、嫁は叔父さんのことを「お兄ちゃん」と呼んでいる。
どうやらそう呼ぶように教えられたらしい。
おにいちゃんと呼ばせる理由は、「おじさん」と呼ばれるのがいやだったから、らしい。
僕は以前これが理解できなかったが、最近ようやく理由が分かった。
そもそも一般的に「おじさん」というのはカッコ悪い認識があるみたいだ。
なんで?おっちゃんってカッコよくない?
僕の親戚のおっちゃんはバーベキューとかで活躍したり、すごくいろんなこと知ってたり、大人になってからも美味い酒の飲み方を教えてくれたり、尊敬できる人生の先輩だ。
大阪では友だちのお父さんもおっちゃんと呼ぶのだが、友だちのおっちゃんも、面白い話で笑わせてくれたりしてPTAの行事で楽しませてくれたり、みんなに慕われていた記憶がある。
親戚のおっちゃんも友達のおっちゃんも、カッコよかった (もちろん全てのおっちゃんがではないけど)
この自分の感覚と、世間一般のおじさん=カッコ悪いという認識の違いは一体なんなのか。
どうも「おじさん」と大阪の「おっちゃん」は違う概念のようだ。
「おっちゃんになってしまった」と喋る友人たちはみんな、歳をとってしまったという焦りとも憂鬱ともつかないネガティブな感情だけでなく、「子どもの頃憧れたカッコいい存在になれた」という一種の誇りというか自信というか、そういった嬉しげなニュアンスを持って語るのだ。
「おっちゃん」と言うのは、子どもの頃憧れたような、カッコいい存在なんだ。
甥っ子くんはまだ喋れないけれど、僕も早くおっちゃんと呼ばれるようになりたいものだ。